銀行の代理人キャッシュカードも上手に活用

日経新聞から

2024年2月17日(土)朝刊㉔『マネーのまなび』から

○記事からの引用

 見出し:「老親の預貯金、子が管理」「代理人カード、緊急時に出金」

  • Aさんが父から聞いた暗証番号を使い、何度もカードで診療代金を引き出していた。銀行の窓口に相談したことろ「身内でも他人のカードを使うのは好ましくない。Aさん用のカードを作るのがいい」と勧められたという。
  • 口座名義人があらかじめ指定した親族などの代理人に発行され、代理人は自分用のカードを使ってATMで入出金がなどができる。
  • 名義人が認知症になると本人の意志確認ができないため、 (中略) 法的な代理権を定めた成年後見制度などを利用するのが原則だ。
  • 代理人カードに比べて対応範囲が広い「代理人制度」を利用するのも選択肢になる。

○所長の感想など

 夫名義のメインの銀行口座、年金の振込や色々な生活費の引き落としなどに加えて、キャッシュカードを普段から預かっている妻はお買い物に必要な現金を引き出すなど、いつも大活躍です。
 しかし、これっていいのかなぁ?夫の身に何か起きたときはどうなるのかなぁ?と不安がよぎりませんか。

  • ご夫婦で1枚のキャッシュカードを使用しているご家庭も少なくないと思いますが、何か事が起きたときに銀行がどの様な対応を取るかを考えてみてください。
  • 大事な制度とはいえ「成年後見制度」しか手立てがないのかと考えたときに、銀行の「代理人キャッシュカード」(代理人カード)や「代理人制度」を利用する手はありだと思います。
  • ケガや病気で外出できないや十分な判断能力がなくなってからでは大変なので、リスクヘッジとしての「予防法務」の観点からも、選択肢になると思います。
  • また、代理人カードや代理人制度は、多くの銀行で利用でき、一般的には無料だと聞きますので、その点もメリットだと思います。
  • メリットとデメリットを比較検討した上で、口座名義人である自分が元気なうちに手続を行い、ご夫婦ならお互いの代理人カードを取得してATMを利用した出入金が行えるように備えておく。
    そうすることで、将来の不安や不便を減らすことができ、「よりよく生きる」につながっていけばいいのではないでしょうか。
  • その際には、代理人は、勝手に引き出して散財するといった授与された代理権の範囲を超えた使用をしないように注意してください。
  • 最後に、代理人カードはシニアだけのものではありません。
    所長は結婚後30年弱、2枚のキャッシュカード(本人カードと代理人カード)を便利に利用しています。
    所長の代理人カードには、表面に妻の”シメイ”、裏面に”代理人カード”の表示がありました。
    まだ活用されていないミドルのご夫婦や若い世代の方も活用を考えてみてはいかがですか。