2024年3月25日(月)朝刊㉑「Data Finder」から
○記事からの引用
見出し:『飛散シーズン、30年で2週間長く』『花粉「高リスク地域」で人口増』『1980年代より730万人多く』
- 観測データを分析すると、花粉にさらされる期間の長い「高リスク 地域」に人口が集まり 、花粉症に苦しむ人を増やしてきたことがわかった。
- 80〜90年代は高度経済成長期に植林されたスギが花粉を活発に飛ばす樹齢30年以上を迎えた時期と一致する。
- 約1700の自治体を花粉シーズンの長さで4つに分類し、1980年以降の人口の推移を調べた。「20〜29日」の地域では 594万人増、「30日以上」の地域では 136万人増と、期間の長い 2 グループで合計730万人増えた。
- スギ花粉のシーズン開始は1990年代には2月下旬だったが、2020年代には 2月上〜中旬 と2週間ほど早まった。
- 政府もようやく対策に乗り出し、30年後に花粉量を半減させる目標を掲げる。
○所長の感想など
調べてみると、スギは樹齢50年頃までは花粉の生産量を年々増やし、その後、花粉の生産量は横ばいになるそうです。
それから考えると、花粉量は今がピークだけれど、これから目に見えて減ることはなく、人手不足で伐採や植え替えも難しい状況では、花粉の大量飛散が今後も毎年繰り返されることになります。
- 「30年後に花粉量を半減」しても花粉量は90年代の2倍の量ですし、これから30年も先のあまりにも遠い話しです。
- 品種改良で生まれた「花粉がないスギ」を植林するなんて話もありましたが、人手不足の現状では机上の空論です。
- 政策課題としての重要性は「少子化」には劣るかもしれませんが、森林資源の生産や国民の健康と医療費の観点から、解決が経済と財政に大幅なプラス要因になる課題です。
- 複雑かつ難しい問題を抱える「少子化」対策とは違い、流行りのSDGsとも相性がよく花粉症を抱える国民の半数が切実に願う「花粉」対策を是非ともよろしくお願いします。