法務省は、成年後見制度と遺言制度の見直しに向け、次のような検討を法制審議会で開始したそうです。
- 現状の成年後見制度の問題を踏まえ、成年後見制度を利用する本人の尊厳にふさわしい生活の継続やその権利利益の擁護等をより一層図る観点からの見直しを行う。
- 遺言制度を国民にとってより一層利用しやすいものとするため、遺言者がデジタル技術を用いて作成することのできる新たな遺言の方式を設ける。
○所長の解説など
- 成年後見制度については、主に
高齢化や認知症患者の増加により制度利用の潜在的ニーズが増加しているはずにも関わらず、制度利用が広がっていない。
「使い勝手が悪い」といわれる現状を改善することで、被後見人予備軍の権利を守り、被後見人の利益を向上させたい。
具体的には、成年後見をやめる仕組み、被後見人の自己決定権を拡大する仕組み、被後見人のニーズに合った保護をする仕組みなどを検討する。
ということのようです。
- 遺言制度については、主に
本文、日付及び氏名の全文自書が原則の「自筆証書遺言」と同程度の信頼性を持ち、パソコンでの入力や録音・録画でも可能な”新方式の遺言”をデジタル技術を活用して簡便に作成できるようにしたい。
また、「自筆証書遺言」の全文自書が原則と押印が必須の要件を緩和したい。
具体的には、紙に自書のアナログな遺言書からデジタルな遺言へ、文字、音や映像を電子化したいわゆる「完全デジタル遺言」も想定している。
ということのようです。
- 見直しが実際に施行されるまでには、まだ少し時間が掛かるでしょう。
変わらない「民法」も今は昔話。どんどん変わり、これからも変わり続ける「民法」に行政書士としてしっかりついて行かなければなりません。