戸籍で何年前くらいの先祖が確認できる?

業務のこと

 先に書いた「御年215歳の死」のようなことは極々稀にしか起こらないと思いますが、市役所等で「先祖調査のため遡れるだけの戸籍が欲しい」と依頼したときに、どれくらい前に遡る戸籍が取得できると思いますか?

  • 200年くらい遡った先祖の戸籍が取得できます。
  • ただし、本籍地の各市町村の事情、例えば、過去の戸籍事務の個別事情、戦災による滅失、保存年限経過による破棄など、で難しいことがあります。
  • また、先祖が市町村の枠を超える転籍(管外転籍)や結婚して新しい戸籍を元の市町村以外で編製をしている場合などは、当該市町村ごとに依頼するという手間をクリアーしなければなりません。

○所長の感想など

  • 西暦では、文化2年:1805年 → 明治元年:1868年 → 明治4年:1871年 → 明治19年:1886年です。
  • 日本で最初の戸籍は明治4年戸籍法に基づいて編製された「明治5年式戸籍」ですが、江戸時代の身分制度に基づく差別的な記載があるため、現存していても現在では見ることができません。
  • 現在、見ることができる一番古い戸籍は「明治19年式戸籍」ですが、保存期間の関係から今後はますます目にする機会がなくなるでしょう。
  • そのため、すごく簡単にいうと、明治19年式戸籍が取得できれば、明治19年頃に生きていた先祖(仮に60歳とすると200年前くらいに生まれた人)や戸主を中心とした「家」を単位とした戸籍という特色から200年前を軽く超える前戸主などの前世代の先祖のことも確認できます。
  • また、戸籍ではなく、菩提寺などの過去帳の情報を通じて更に古い先祖のことを調べるという手段もありますが、なかなかの難しさがあるようです。
  • 自分の先祖や家系に関心がある場合は、先ずは戸籍をたどってみてはいかがでしょうか。
  • なお、先に書いた御年215歳さんのことについて書けば、この古い明治19年式戸籍に死亡したことが書かれていなかったというのではなく、令和の時代に御年215歳さんの「コンピュータ化された戸籍」があったということです。したがって、戸籍上では御年215歳さんは令和の時代も生きていることから、相続などの何らかの問題が発生し、「死亡宣告」の手続が執られたのでしょう。
  • 今でも、全国の戸籍の中には、生き続ける明治生まれがたくさんいるのかもしれませんね。